• 坂内 徳明

コリとマッサージの基礎理解

最終更新: 2020年8月20日

鳥取県にある理学療法士が運営するパーソナルジム・健康な体作りの空間

PT Body Lab.」の坂内です!

今回のテーマは「コリとマッサージ」です!

目次
.マッサージに必要な要素
.マッサージの効果
.マッサージの禁忌
.マッサージの効果を変化させる行動
 A 相性が良い行動
 A 相性が悪い行動
.基本的な手技
.筋硬結のメカニズム
.筋ガーディングのメカニズム.筋スパズムのメカニズム
9.危険なマッサージのサイン
10.指圧の強度と影響
 A アルントシュルツの法則
11.好転反応
 A メカニズム
 B 好転反応の主な症状
 C 好転反応中の過ごし方
12.揉み返し
 A メカニズム
 B 揉み返しの主な症状
 C 揉み返し中の過ごし方
13.参考文献
1.マッサージに必要な要素

①対象とする症状の原因を医学的に説明できる

②どこに触れているのかを説明できる

③事前の評価、カウンセリングがしっかりできているか

④手術や疾患に対する知識が不足していないか


2.マッサージの効果

・血流の改善

・リンパの改善

・ストレス解消(コルチゾールの分泌低下関与)

・リラックス効果(セロトニン、オキシトシンの分泌増加)

・自律神経系の安定性向上

・冷え性、むくみの改善

・不安感、抑うつ状態の軽減

・筋緊張の抑制


3.マッサージの禁忌

マッサージ行為自体が禁忌の場合


・炎症症状がある部位

・感染症に罹患しているとき

・その他、有資格者がリスクを考慮した時

・血小板数の低下や抗凝固薬の服用がある人


強度のマッサージが禁忌の場合


・マッサージによる体調不良の既往がある方

・癌の発症がある方

・骨粗鬆症がある方

・効果に対するリスクが高い時

・その他、有資格者が危険だと判断した時


4.マッサージの効果を変化させる行動

A 相性が良い行動

・水分補給(老廃物の排泄効率の向上)

・温熱作用で体を温める(循環改善)


B 相性が悪い行動

・マッサージ後のアルコール摂取(循環向上に伴い、回りやすいとされる)

・夜更かし(リラックス効果が感じられている内に就寝する)


5.基本的な手法

COMING SOON!!


6.筋硬結のメカニズム

「筋硬結」はドイツのFroiepが報告したのが語源となっています。


筋硬結は未だに解明されていないところが多く、その定義も曖昧であるが

一般的に「正常から逸脱した触診感を示す筋組織内の部位として定義します。


「硬いコリ」が筋硬結にあたり、海外ではこの筋硬結内の圧痛点を

トリガーポイン」と表現しています。


日本で使われている「トリガーポイント」は痛みの引き金となる部位のことを指すため

若干意味は異なります。


筋硬結の構造として、筋硬結の中心には硬い芯のようなものがあり、その周りがゲル化していることによって筋浮腫や筋スパズムのような状態が混在していると考えられています。


こうしたゲル化は痛覚過敏状態を招きやすく、筋由来の疼痛に大きく関与することが考えられています。

※筋肉のコラーゲン繊維におけるゲル化・ゾル化の解説は別途記事を投稿します!


そもそも、滑走説に基づいた筋収縮の説明として、筋小胞体からのCa+放出に伴うアクチンとミオシンの滑走がメカニズムとして挙げられる。


筋組織に対するメカニカルストレス(過負荷)や筋疲労などがきっかけとなり、筋小胞体が損傷し、その損傷部位から出るCa+によって筋漿膜内のカルシウムイオン濃度が上昇し、アクチンとミオシンの滑走が膠着する。

この状態を解除するためにATP産生を働かせるが、局所循環障害によってATP産生効率を妨げ、癒着を解除できなくなり、筋硬結が生成される。


簡単に説明すると、筋硬結とは筋収縮が行いにくくなった部位の循環障害によって作られた筋組織の集まりのことです。


基本的には局所で生じるもので、関連痛が伴う場合もあると言われています。


筋硬結と区別すべき臨床的症状

・筋の張力増大による硬さ

・筋スパズム

・中枢系の筋緊張亢進 など


アクションとしては滑走不全(膠着状態)を解除しなければならないので、まずは循環の改善による筋の収縮不全の解消が求められる。


また自律神経の乱れに伴う血管の不随収縮で血行不全が起き筋硬結を形成する可能性も示唆されています。


筋硬結発生の大まかなメカニズム

筋への過負荷

アクチンミオシンの癒着

筋ポンプ作用の低下

酸素欠乏、栄養低下

エネルギー欠乏

持続的収縮

筋硬結の形成


慢性炎症から生じる筋硬結のメカニズム

7.筋ガーディング(防御性筋緊張)のメカニズム

筋ガーディングは防御性筋緊張とも言われる。

関節の可動域制限を生じさせる原因が組織内に存在している時に反射的に筋肉を収縮する防衛反応です。

特に痛み刺激に対する持続的な筋緊張として働き、それ以上関節運動が起きないように抑止する大切な機能です。

詳しくは反射の記事でまとめていますのでそちらを参照してください。

https://www.pt-body-lab.com/post/脊髄反射の基礎理解


8.筋スパズムのメカニズム

筋スパズムとは神経学上、筋攣縮とも呼ばれる。

定義は様々あるり、複合的な要素から構成されているとされ未だにはっきりとしたメカニズムは解明されていない。一般的に「断続的に生じる一定の持続時間を持った異常な筋収縮状態」とされる。

理学療法の中では「痛みなどに起因する局所的で持続的な筋緊張亢進状態」を指す。


メカニズムとして、組織の循環不全や交感神経の活動に応じて発生する体性ー自律神経反射によって安静時の筋緊張亢進(筋スパズム状態)を引き起こすと言われている。


体性ー自律神経反射・・・生体に加わった刺激が体性感覚として意識や情動に影響を及ぼすと同時に自律神経系にも様々な現象を引き起こす反射。

疼痛と深く関与しており、筋スパズムによる疼痛で持続的な不快感が生まれ、情動反応を助長し、交感神経系の異常に悪循環が生まれる。


また、上記で書いた、筋ガーディングによる持続収縮で循環不全が生じ、組織上の原因が取り除かれても筋ガーディングのみ残存してしまう状態とも言われる。


メカニズム

①組織の損傷

②脊髄後角ニューロンの興奮による疼痛の出現+筋ガーディング(屈曲反射)

③屈曲反射とともに交感神経が働き、血管の収縮が起こる

④循環不全により疼痛誘発物質↑

⑤疼痛による交感神経の興奮や安静時の筋緊張亢進

⑥ループし、スパイラルを形成する。


9.危険なマッサージのサイン

気持ち悪くなる

めまいがする

頭がフラフラする

ボーッとする

痺れたような痛みが走る

ピクついたような瞬間的な筋収縮が起こる


10.指圧の強度と影響

指圧はよく「アルント・シュルツの法則」で説明されることが多いです。


A アルント・シュルツの法則

弱刺激:組織の機能を呼び起こす

中刺激:組織の機能を興奮させる

強刺激:組織の機能を抑制させる

最強刺激:組織の働きを静止する


刺激の強さ、感じ方は人それぞれなので、セラピスト自体の感覚やフィードフォワード-バックを行いながら調整していくしかない。


11.好転反応

マッサージによって生じる正の効果を好転反応と言います。

好転反応は体の回復とともに現れる症状と言われています。


マッサージによって循環が改善され、老廃物が流れたり、骨格の配置変化などによって起こる一時的な不快感といえます。

ほとんどの場合、1週間以内でその症状は消失します。


A メカニズム

①筋硬結などで阻血状態となり、疼痛誘発物質が発生している。

②マッサージにより阻血状態を解除することで血流が改善する。

③循環改善とともに疼痛誘発物質を含む老廃物が全身に拡散する。

④それに伴って全身的な怠さなどが一時的に出現する。


弛緩→過敏→排泄→回復という4段階に別れると言われています。


弛緩期:機能が元の状態に回復し始めた際に見られる。主に自律神経系の不具合が解消され始めるため、怠さや倦怠感、眠気などはこの際に生じると言われている。

過敏期:一時的に急性症状のような症状に戻る期間。

主に痛みや腫脹、発汗や消化器系の不調などが挙げられる。

排泄期:老廃物を尿や汗などと一緒に排泄する。肌荒れや尿の色の変化などがある。

回復期:血流が改善し、老廃物も排泄されて循環状態が良好な期間。

発熱や痛み、動機などを伴うこともある。


B 好転反応の主な症状

・体がだるい、倦怠感がある

・眠たい、いつもに比べて多くあくびが出る

・頭がボーッとすることがある

・体が温かくなった


C 好転反応中の過ごし方

・水分不足にならないように定期的に摂取する。

・体を温め、血行の改善を図る。

・少し汗をかくくらいの軽い運動を行う(体調が大きく悪化してなければ)


12.揉み返し

マッサージによって生じる負の効果を揉み返しと言います。

揉み返しは体が出す警告です。

マッサージを行った際、筋肉が傷ついてしまい、そこから起こる炎症反応といえます。


A メカニズム

①マッサージの刺激が強く、筋繊維や筋膜が損傷をする。

②筋繊維や筋膜の損傷部位から炎症症状が発生する。

③疼痛誘発物質の発生や持続的筋緊張が起こりやすくなる。


B 揉み返しの主な症状

・マッサージした部位に痛みがある

・筋硬結が悪化している

・頭痛など神経系の症状がある


C 揉み返し中の過ごし方

・炎症症状なので温めない

・体に負荷をかける運動などは控えて安静にする


13.参考文献

松澤 正, 他:マッサージの筋硬結による変化の検討,2011年.

原田 脩平, 他:マッサージに血流改善効果はあるのか,2009年.

坂井 建雄, 他:プロメテウス解剖学アトラス第2版, 株式会社 医学書院,2014年.

千住 秀明, 他:機能障害科学入門, 株式会社 九州神陵文庫,015年.

トーマス・W・マイヤース, (板場 英行・石井慎一郎):アナトミートレインー徒手運動療法

のための筋筋膜経線ー, 株式会社 医学書院,2019年.

岡庭 豊, 他:病気が見えるvol.11 運動器・整形外科 第1版, 株式会社 メディックスメディア, 2017年.

千住 秀明, 他:運動療法Ⅰ 第2版, 株式会社 九州神陵文庫,2014年.

奈良 勲,他:標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 解剖学,株式会社 医学書院,2015年.

細田 多穂・柳澤 健:理学療法ハンドブック 疾患別・理学療法基本プログラム,株式会社 共同医書出版社,2015年.

D.A.Neumann(嶋田 智明):カラー版 筋骨格系のキネシオロジー 原著第2版,医師薬出版株式会社,2015年.

大地 陸男,他:生理学テキスト,株式会社 文光堂,2014年.


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