• 坂内 徳明

女性機能の基礎理解

最終更新: 2020年8月20日

鳥取県にある理学療法士が運営するパーソナルジム・健康な体作りの空間

PT Body Lab.」の坂内です!

今回のテーマは「女性機能」です!

目次
.女性ホルモンについて
 A エストロゲン(卵胞ホルモン)
 B プロゲステロン(黄体ホルモン)
.生理周期について
.女性ホルモンとダイエット
.妊娠に伴う骨盤の構造変化と機能変化
.腹直筋離開
 A 腹直筋離開とは
 B 原因と治し方
 C 評価方法
 D 行わない方が良い運動例
6.PMSPMDD
1.女性ホルモンについて

女性ホルモンはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類が存在します。

A エストロゲン(卵胞ホルモン)

卵巣から分泌されるホルモンです。

一般的に8〜9歳ごろから分泌が始まり11〜13歳ごろから分泌量が増加すると言われています。

18〜30歳ごろが分泌量のピークに達して、閉経まで分泌され続けます。


エストロゲンの役割

・女性らしい丸みを帯びた身体を形成する。

・生殖器の機能を維持向上させる。

・髪や肌のタンパク質で形成された組織の潤いを保つ

・骨密度を維持向上させる。(骨の頑丈さ)

・コレステロールの調整

・動脈硬化の予防

など、様々です。


閉経後の老年期で生じるエストロゲンに関与した身体への影響

・骨密度の低下(骨内のCaの流出など)

・LDL(悪玉コレステロール)の増加+動脈硬化


B プロゲステロン(黄体ホルモン)

主に妊娠機能に関与するホルモンです。

生理周期の排卵期において分泌量が増加します。


プロゲステロンの役割

・子宮内膜の柔軟性を増加する

・妊娠した際に子宮内膜の機能を維持する

※妊娠しなかった場合は子宮内膜は剥がれ落ち、プロゲステロンの分泌量も次回の生理周期まで減少します。


2.生理周期について

女性の体はホルモンのバランスによって大きく4つの周期に分かれています。

・卵胞期

・黄体期

・月経期

・排卵期


3.女性ホルモンとダイエット

ダイエット中は運動量や食事などにやや負担がかかる場合があります。

生理周期を意識したダイエットプログラムの考案が必要です。


もちろん個人差はありますが、一般的に

女性のダイエットで運動負荷をかけるタイミングとしてエストロゲンの分泌量が増える

月経終期〜排卵中期までが良いと言われています。

他にも精神的な安定性が保たれている期間も同様に良いとされています。


逆に黄体期は心身ともに不安定な状態が続きますのでストレスがかからない程度の軽めの運動が推奨されています。こちらも個人差によって異なる場合があります。


4.妊娠に伴う骨盤の構造的変化と機能的変化

妊娠中から女子の骨盤は赤ちゃんの頭が通るように少しずつ開きます。

骨盤は腸骨、恥骨、坐骨という3つの骨がくっついて寛骨という骨の集団を形成しています。これが俗にいう骨盤です。


この骨同士は靭帯を通して頑丈にくっつき合っています。

妊娠中の「骨盤が開く」の「開く」はこの「靭帯が緩む」ことで骨盤の容積が大きくなることを指しています。


靭帯が緩む条件として、妊娠中に分泌量が多くなる「プロゲステロン(女性ホルモン)」や「リラキシン」と言ったホルモンが関係してきます。


骨盤の構造的変化や骨盤内での機能的変化によって骨盤の支える力にやや不安定性が生じたり、腹部の重量が増加することから腰痛などの二次的な合併症状が出現しやすくなります。


妊娠期の骨盤の開きは、基本的には自然に戻ることが多いと言われています。


妊娠期に分泌されていたプロゲステロンは出産後に急激に減少する

リラキシンは出産後〜半年間の期間で徐々に減少すると報告されている。

リラキシンの現象に伴って妊娠中にゆるんだ骨盤周囲の靭帯は自然と元の状態に戻ります。


骨折や怪我の治癒と同じようにこの骨盤の緩みが改善していくのには個人差があるため注意が必要です。


よく「骨盤矯正」という言葉が取り上げられます。

この言葉は専門家の中でも非常に難しい言葉として認知されています。


妊娠後も赤ちゃんを抱えたり、中腰での作業が増えて、力学的なストレスが多くかかります。そうした左右不均衡の状態を考慮した介入が必要になります。


5.腹直筋離開

A 腹直筋離開とは

剣状突起から恥骨結合上縁に真っ直ぐ伸びる、白線(腹直筋を左右に分ける繊維)が横に伸張されることによって、腹直筋が縦方向へ2つに裂けられる状態を言います。

白線・・・腹筋群を取り囲む腱膜の一つで、「腹部の胸骨」とも言われる部分で、約3540cm程の長さがある。白線は各腹筋の腱が交差するように交わっている成り立ちがある。

この腹直筋離開の多くは妊娠中の女性(特に後期から多いと言われている)や産後数ヶ月の女性に多くみられます。また、妊娠の有無に限らない場合や妊娠から数年経過している場合でも腹直筋離開がみられる場合があると言われています。


B 原因と治し方

原因の多くは胎児による腹部内部の外側方向への圧迫やホルモン分泌の作用によって筋肉や靭帯の緩みが生じて発生します。

白線の停止部は恥骨結合であり、妊娠中における骨盤の開き(上記参照)は相対的に白線の開きにも影響をもたらします。


C 評価方法

・超音波エコーなどの画像診断

※エコーによる評価は勉強中のため省略します。


上体起こし検査

①膝立て背臥位をとる。

②顎を引いて、後頭部、肩甲骨を地面から浮かす。

※肩甲骨が上がらない人は後頭部まででもOK!

③臍の穴に指を当てて、穴の上下3cmくらいまで一緒に触る。

※白線に対して並行に指を当てる

④理解が生じている場合は指が入っていく様子が確認できる

→2本以上入ると腹直筋離開の可能性があります。


下肢挙上検査

①背臥位から片側の下肢を5cm程度挙上する

※挙上する筋力がない場合は必要に応じて補助する。

②臍の穴に指を当てて、穴の上下3cmくらいまで一緒に触る。

※白線に対して並行に指を当てる

③理解が生じている場合は指が入っていく様子が確認できる

→2本以上入ると腹直筋離開の可能性があります。


D 行わない方が良い運動例

腹直筋離開がある際にNGな運動例として、シットアップやクランチなどの頸部〜体幹を地面から上げていく腹筋です。

この腹筋運動は腹直筋の騎士と停止が近づく運動パターンなので、離開を悪化させたりする恐れがあります。


6.PMSとPMDD

A PMSの基礎理解

PMS(月経前症候群)は月経周期の後期黄体期に発生し、月経の開始後に緩和される感情的、行動的、および身体的症状を特徴とします。

疫学研究では、生殖年齢の女性の5〜8%が、日常生活に支障をきたす中程度から重度の月経前症状を示すことが報告されています。

また妊娠女性では約20%に臨床所見上無視できないPMS症状が出現することが報告されています。

早い人では10代から症状が現れます。

PMSの発生する原因は現在のところ解明されていませんが、ホルモンの変化、神経伝達物質、ストレス、および生活習慣などが因子として考えられています。


日本人の15〜19歳の901人を対象にした研究では、89人の参加者(9.9%)が「中等度から重度のPMS」に分類され、28人(3.1%)が「PMDD」に分類されました。


B PMDDの基礎理解

PMDD(月経前不快気分障害)はPMSが重症の場合に生じる気分障害です。

PMSを患う約5%の女性がPMDDに苦しんでいると報告されています。

PMS同様に、発生する原因は現在のところ解明されていませんが、ホルモンの変化、神経伝達物質、ストレス、および生活習慣などが因子として考えられています。

PMDDは選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの薬物療法が必要な場合もあり、症状がひどい場合は病院での受診も考えていく必要があります。


C PMS・PMDDにおける症状

・抑うつ気分

・不安または緊張(約66.7%)

・悲しみ

・怒りまたはイライラ(約66.7%)

・仕事、家庭、または社会活動への関心の低下

・集中力の低下(約59.7%)

・疲労またはエネルギー不足(約70.9%)

・過食または食物渇望(約52.8%)

・不眠症または過眠症

・圧倒された感じ

・圧痛のある乳房、膨満感、頭痛、関節または筋肉の痛み、体重増加などの身体症状

などが挙げられます。

※( )内の数値は、日本人の15〜19歳の901人を対象にした研究でのデータです。


参考文献

mari tadakawa,et al:The prevalence and risk factors of school absenteeism due to premenstrual disorders in Japanese high school students-a school-based cross-sectional study,BioPsychoSocial Medicinevolume 10, Article number: 13 ,2016


E J Frackiewicz,et al:Evaluation and management of premenstrual syndrome and premenstrual dysphoric disorder,J Am Pharm Assoc,41(3)437-47,2001


Roberta Foster,et al:Relationship between Anxiety and Interleukin 10 in Female Soccer Players with and Without Premenstrual Syndrome (PMS),Rev Bras Ginecol Obstet,39(11):602-607,2017

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