• 坂内 徳明

脊椎の基礎理解

最終更新: 2020年8月20日

鳥取県にある理学療法士が運営するパーソナルジム・健康な体作りの空間

PT Body Lab.」の坂内です!

今回のテーマは「脊柱」です!

目次
.脊椎とは
 A 脊椎の役割
.脊柱の生理的湾曲
.脊柱の基本構造
.椎骨と靭帯
.頸椎
 A 第1頸椎
 B 環椎後頭関節
 C 第2頸椎
 D 環軸関節
.頸椎に関与する靭帯
.胸椎.腰椎
9.椎間板の基礎理解
10.仙骨
11.尾骨
12.脊柱のアライメント
13.脊柱の連結運動
1.脊椎とは

脊椎は椎骨と椎間板が交互に連結することで形成される柱上の骨格です。

人間には32〜34個の脊椎が存在しています。


頸椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個、仙椎が5個、尾椎が3〜5個となっています。

仙椎は大人になると1つになり、「仙骨」と呼ばれています。

尾椎も大人になると1つになり、「尾骨」と呼ばれています。


A 脊椎(脊柱)の役割

脊椎の主な役割としては以下が挙げられます。

・身体の支持

・脊髄の保護

・体幹の運動


2.脊柱の生理的湾曲

脊柱は重力から受ける力が分散されるように湾曲構造を持ちます。

頸椎:生理的前弯

胸椎:生理的後弯

腰椎:生理的前弯

仙椎:生理的後弯


※イメージ図準備中


3.椎骨の基本構造

椎骨は様々な形態を示しますが基本構造はおおよそ同一です。

まず大きく分けて、椎体椎弓の2つから構成されています。


椎体は脊柱の本体部分に相当し、この部分に椎間板が結合します。


椎弓は椎体との結合面となる椎弓根と椎弓の本体となる椎弓板からなります。

関節を構成する突起が左右・上下・後方に付着しています。


椎体と椎弓との間にできた空間を「椎孔」と言います。ここに脊髄が通ります。


4.椎骨と靭帯

部位によって特徴が異なるがほとんど共通している靭帯を示す。

5.頸椎

頸椎は脊柱の中で最も可動性が高い。

主にC1、C2を上位頸椎、C3〜C7を中下位頸椎と言う。

上位頸椎は特殊な形態を示す。


頸椎の特徴

・横突起の中に横突孔という穴があり、ここを椎骨動脈が通る。(C1〜C6)

・棘突起の先端が2つに分かれる。(C2〜C6)

・上下関節面が水平面に対して傾斜している。


A 第1頸椎(環椎)

C1は椎体と棘突起がない。

全体的に環状の形態を示す。


頭蓋骨の後頭骨と環椎後頭関節を形成する。

C2(軸椎)と環軸関節を形成する。


C2の歯突起がはめ込まれる歯突起窩がある。

椎孔を半分に分けるように環椎横靭帯が走る。

この半分に分けた椎孔の前方部に歯突起がはまり込む。


B 環椎後頭関節

環椎後頭関節は後頭骨とC1(環椎)から構成されます。

関節面は後頭骨の後頭顆と環椎の上関節面です。


主に屈曲と伸展の運動に関与します。

C 第2頸椎(軸椎)

C2は上方に突出した歯突起が存在する。

C1(環椎)と環軸関節を形成する。

D 環軸関節

環椎後頭関節はC1(環椎)とC2(軸椎)から構成されます。

正中環軸関節外側環軸関節に分かれます。


正中環軸関節は歯突起を介して形成される関節で、主に回旋運動に関与します。

外側環軸関節は互いの上下関節面が作る関節で、正中環軸関節の運動を補助します。

E 第3〜7頸椎

C3〜C7は類似した形を形成しています。

椎体の上面側縁に鈎状突起という突起があり、鈎椎関節を形成する。

主に屈曲・伸展・側屈の運動に関与します。


F 鈎椎関節(Luschka関節)

C3〜C7の椎体上面側縁にある鈎状突起とその一つ上の頸椎の椎体からなる。

関節の形状は半関節で、脊髄や椎骨動脈と隣接する。


6.頸椎に関与する靭帯

頸椎は高い可動性を要すため靭帯の役割は重要である。

7.胸椎

胸椎は肋骨と連結しており、胸郭を形成する。

安定性は高い関節だが関節を多く形成しているため動きは少ない。

そのため椎体の後側面に肋骨が付着する肋骨窩が存在する。

A 第1〜12胸椎

・肋骨との関節面がある。ここを肋骨窩という。

・棘突起が下方へ長く伸びる。

・上下関節面が前額面(冠状面)状に位置している。


胸椎の関節面は前額面状に近く、側屈に適している。


B 肋骨窩

肋骨窩は3つに分かれる。

上肋骨窩(椎体の側面の後上方)※Th1〜Th10まで付着

下肋骨窩(椎体の側面の後下方)※Th1〜Th9まで付着

横肋骨窩(横突起の側面)※Th1〜Th10まで付着

例えば、第4肋骨は

Th4の上肋骨窩・横肋骨窩とTh3の下肋骨窩に付着する。


※イメージ図準備中


8.腰椎

腰椎は下方にいくにつれて耐荷重が増加するため椎体が大きい。


第1〜5腰椎

・棘突起が短い。

・上下関節面が矢状面に近い形状をとる。 

→屈曲伸展運動に適している。回線は制限される。


腰椎屈曲時の構造学的変化

・髄核の後方移動

・椎間孔の拡大

・椎間関節の圧力緩和

・後方靭帯の張力増加

・繊維輪後縁の張力増加


※イメージ図準備中


腰椎伸展時の構造学的変化

・髄核の前方移動

・椎間孔の縮小

・椎間関節の圧力増加

・前縦靭帯の張力増加

・繊維輪前縁の張力増加


※イメージ図準備中


9.椎間板の基礎理解

椎間板(椎間円板)は繊維輪髄核から構成される。

髄核は繊維輪に包まれている。


椎間板の役割は主に衝撃吸収のクッションの役割を果たす。


髄核

ゼラチン状の柔らかい物質。

椎間板の中心からやや後方に位置する。


繊維輪

10〜20層の繊維層が重なってできている。膠原繊維や繊維軟骨からなる。

繊維の走行は一定ではなく、各層で異なる。


※イメージ図準備中


椎間板の負荷量の変化

椎間板への負荷は体の中心線から逸脱するほど増大する。

例えば、体重70〜80Kgの人のL3/4椎間板では

立位を100%とすると、背臥位で25%、立位体幹前屈で約150%

背臥位からの起き上がりでは200%以上、椎間弁への負担は増大する。

胸椎でも同じことが言える。これらは屈曲に伴う前方への圧力増加と、脊柱起立筋の延長に伴う椎間板への荷重量増加が主な原因だと言われている。


10.仙骨

仙骨は成人になると5つの仙椎が癒合し1つになる。

逆三角形の形をしており、最上部を仙骨底、最下部を仙骨尖と言います。

仙骨の椎孔は仙骨管と呼ばれていて、馬尾神経が通る。

11.尾骨

尾骨は3〜5個の尾椎が癒合してできます。

尾骨は痕跡器官と言って動物の尻尾にあたる部分が人間では退化して残存しています。

第1尾椎だけ椎骨らしい形が残っており、横突起も存在する。


12.脊柱のアライメント

矢状面からみた脊柱のアライメント

頸椎の前弯:約30〜35°

胸椎の後弯:約45°

腰椎の前弯:約45°

仙骨底:第5腰椎に対して約40°前下方に傾斜

肩甲骨:前額面から前方に35°傾斜

骨盤:上前腸骨棘と恥骨結合が同一垂直線上にある


前額面からみた脊柱のアライメント

頸椎・胸椎・腰椎:垂直配列

肩甲骨:第2〜7肋骨に位置する。左右の内側縁が並行

胸椎・肩甲骨内側縁距離:約7cm

肩峰:第1胸椎棘突起ラインのやや下方

骨盤:ヤコビー仙が地面と垂直

膝関節:5°の生理的外反


13.脊柱の連結運動

A 頸椎

環椎後頭関節:屈曲位・伸展位+側屈では反対側の回旋を伴う。

環軸関節:屈曲位・伸展位+側屈では反対側の回旋を伴う。

中部・下部繊維:屈曲位・伸展位+側屈では同側の回旋を伴う。


B 胸椎

中間位・屈曲位:側屈と回旋は同方向で生じる。

伸展位:側屈と回旋は反対方向に生じる。


C 腰椎

中間位・伸展位:側屈と回旋は反対方向に生じる。

屈曲位:側屈と回旋は同方向に生じる。

参考文献

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坂井 建雄, 他:プロメテウス解剖学アトラス第2版, 株式会社 医学書院,2014年.

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松野 丈夫・中村 利孝,他:標準整形外科学,株式会社 医学書院, 2015年.

Joseph E.Muscolino(日高 正巳):Dr.マスコリーノ Know the Body 筋・骨格の理解と触診のすべて,医師薬出版株式会社,2014年.

D.A.Neumann(嶋田 智明):カラー版 筋骨格系のキネシオロジー 原著第2版,医師薬出版株式会社, 2015年.

柳澤 健:理学療法学 ゴールドマスターテキスト3 整形外科学, 株式会社 メジカルビュー社, 2009年.

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